円空とは江戸時代の僧侶であり、全国を行脚したことで知られています。そしてその際、全国各地に木彫りの仏像を残したことでも名を馳せています。この木彫りの仏像は「円空仏」と呼ばれ、北は北海道から南は奈良県まで、日本各地のお寺に残っています。またこの他に個人でこの円空仏を所蔵している人もいるようですが、いずれにしても多数の円空仏が各地に残っています。また仏像以外にも、和歌や扉絵などもたくさん残されています。

越谷に残されている円空仏は、弘福院や安国寺、西福院にあります。円空は1682年と1689年に越谷に立ち寄ったとされていますが、その時に宿泊したのが上記の3つのお寺だといわれています。越谷で円空は、すでにお寺がある地域ではなく、当時としては比較的新しい地域での布教に心を傾けたようです。この弘福院や安国寺や西福院も、比較的新しく開墾された地域にあたります。

越谷に残っている円空の木彫りの仏像は、阿弥陀如来像や不動明王などがありますが、どれも素朴で親しみやすさを覚える仏像になっています。野生味にあふれ、なんとも形容しがたい笑みを浮かべているのがその特徴で、華美さはなく簡素に仕上げられているのも特徴です。円空はこれらが庶民が気軽に崇拝できるように作ったとされていますが、なんとも形容しがたいその様が芸術として評価され、大寺院で所蔵されることもあったようです。越谷にある円空仏は、誰もが参拝できる寺に安置されており、そういう意味では円空の「庶民が気軽に崇拝できるように」という意思が反映されているといえるでしょう。